相即寺は、天文15年(1546) 忍誉上人が開創した、東京八王子市の陣馬街道筋にある浄土宗の寺院です。
江戸時代には徳川幕府から御朱印を受け、念仏道場として多くの人々が訪れていました。

境内山門左手にには地蔵堂(延命閣)があり、堂内に延命地蔵を安置し、その回りに150躰の石の地蔵様があります。この地蔵堂は明和8年(1771)に建立され、天正年間八王子城落城のさい同寺縁故の283人の戦死者の首を引取って堂内に埋葬、その霊を供養したものです。
また、児童文学作家古世古和子氏が「家出ねこの謎」「ランドセルをしょった地蔵さん」など童話にも取りあげたランドセル地蔵があります。

第二次大戦中の昭和20年、東京品川より疎開して来た神尾明治君(当時九歳)が米軍戦闘機の銃撃で幼い命を落としました。知らせを受けてかけつけた母親が堂内150躰の地蔵の中から、亡くなった明治君によく似た地蔵を見つけ、その背に生前大切にしていたというランドセルを背負わせて供養したことが、ランドセル地蔵の縁起となりました。

ランドセル地蔵の御開帳は6月23日、7月8日、8月8日の年3日間になります。

また、相即寺は関東百八地蔵尊霊場百二番番所でもあります。


地蔵堂
ランドセル地蔵

歴史

・天文15年(1546)4月15日
  天蓮社忍誉貞安上人によって開基される。

・慶安元年(1648)
  第3代将軍徳川家光公から朱印状を受ける。

・明和8年(1771)
  延命閣地蔵堂建立

・天明9年(1789)
   加藤甚左衛門により高さ1.9メートルの銅造地蔵菩薩坐像が建立される。